サルトリイバラで包む餅

こんにちは閑話猿です。

番所山公園を歩いているとサルトリイバラ、別名「山帰来(サンキライ)」が茂っていました。先日柏餅をいただいた際柏の葉ではなく、このサルトリイバラで包んでいました。

これは和歌山県南部には、柏の木が少ないためサルトリイバラで餅を包んだそうです。

熊楠が高知県の寺石正路に送った書簡のなかに次のものがあります

当地にてイビツと申し候。エビスカズラ、サルトリイバラ、ミミツクなどなど称え、熊野には檞(ルビ:かしわ)少なきゆえ、もっぱらこの葉にて端午のかしわ餅をつつみ申し候。(『南方熊楠全集』第9巻 p.376)

サルトリイバラの葉で餅を包んだ「イビツ餅」は、柏餅のように一枚の葉で包んだものばかりではなく、2枚の葉を使って餅をサンドしたものもあります。番所山で見られる葉は、大きくなりすぎているのかもしれません。