8月下旬に当館が所蔵しているウガの液浸標本に関する調査がありました。ウガはセグロウミヘビの尾にフジツボ類(蔓脚類)が寄生したものです。過去、ウガのフジツボ部分の調査は行われましたが、ウミヘビ部分の詳細な調査は行われていませんでした。
今回、調査されたのは、和歌山県立自然博物館の高田学芸員と北海道大学の福山さんです。この調査はウガを保存用アルコールから出し、その体長と尾長、ウミヘビの体の各部位のウロコの枚数計測をおこなわれていました。ウガは日本各地で記録されていますが、標本として残っているものは少ないそうです。記念館に収蔵されている『ウガ』も貴重な標本の一つと言えます。小さなウロコを頭部から、尾の方まで1枚1枚数えられデータ化されている様子から研究の緻密さが感じられました。
ウガの尾の先についているコスジエボシガイは溶液のなかで蔓脚を広げていましたが、溶液から出すと脱皮し損ねた皮のようにも見えました。
これまでウガの液浸標本は、長年エタノール水溶液に浸していたことから黄色味がかっていました。今回の調査で新しいエタノール水溶液にしてもらったため、今までよりも綺麗に見えるようになりました。常設展示室で公開していますので、是非ご覧ください。
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