熊楠のタカラガイと番所の磯のタカラガイ

こんにちは閑話猿です。

現在開催中の特別展「南方熊楠と鉱物・化石コレクション」では、熊楠の鉱物・化石コレクションと「石」をテーマにした論考(「燕石考」・「鷲石考」)について展示しています。

熊楠の論考「燕石考」にはタカラガイ(宝貝)に言及する箇所があります。これは「燕石(Swallow Stone)」は呪術的な効能があるとされる石であり、「安産」のために使われました。この燕石を考察する上で熊楠は、「竹取物語」のかぐや姫が出す難題のひとつ「燕の子安貝」が燕石に類似すると示します。子安貝はタカラガイ(宝貝)の俗称であり、安産のお守りや古代の貨幣になっていました。熊楠は、このタカラガイの形状が女性の生殖器に似ていることから、「安産」と関わってきたことを述べます。さらに「燕石」を起点にタカラガイやスガイ(酢貝)の蓋を例に挙げ、異民族間でも「類似したもの、形状の近しいものは影響を与えるという理論があった」と述べます。

そのため本展示では、熊楠の貝類コレクションの中から、各種のタカラガイを展示しています。

 

そして番所山の磯ではタカラガイの貝殻を拾うことができます。さらに磯を覗いてみるとハナマルユキダカラ(花丸雪宝)を見ることができました。この貝は熊楠が昭和天皇の行幸を記念して作った「行幸記念うちわ」に描かれています。

 

Japan Search 行幸記念うちわ・介(貝)品図うちわ(2) 南方熊楠顕彰館所蔵

https://jpsearch.go.jp/item/minakata-kan0125

 

特別展展示風景

番所の磯のタカラガイ

Japan Search 行幸記念うちわ・介(貝)品図うちわ(2) 南方熊楠顕彰館所蔵