ハカマカズラの種撒き:5月4日

皆さん、こんにちは。記念館の「チョボいち」です。
南方熊楠は神島のハカマカズラについて手紙に書いています。ハカマカズラの北限に神島が近いことや、神島のハカマカズラの種子が数珠に良い品質であると自慢しています。記念館への坂道の途中にハカマカズラの大きな株があります。自動車道路が大きく曲がる所と歩道の分かれるところです。開館当時に植えられたものが大きくなったものと思われますが、黒々とした太いつるなので、わかりやすいです。探してみて下さい。葉は遙か上にあるので見えませんが、袴を二つ折りにしたような落ち葉がたくさん落ちています。森の中でこの幹が地面にあるのを見れば、大蛇だと思うことでしょう。神島に大蛇がいるという噂があったそうですが、大蛇の正体はハカマカズラの太い幹です。神島では今でも人の胴回りくらいの太さのハカマカズラが林床に横たわっています。

ハカマカズラの種子を140個拾いました。ハカマカズラの種子は堅くて、そのまま蒔いても、発芽させるのは難しいです。しかし、ほぼ100%発芽させる方法があります。それは、種子の回りの帯状の部分に剪定ばさみで傷をつける方法です。種子は滑りやすいので軍手をして、種子の帯の部分を選定ばさみで挟んで、バチッと切ります。くれぐれもケガをしないよう、気をつけて下さい。

2日くらい、その種子を水につけておくと吸水して1.5倍から2倍に膨らみます。水が茶色に濁るので、腐らないように時々水を替えて下さい。帯の部分がボロボロと崩れて、子葉が大きくなってくるのがわかります。あまり長い間水につけたまま放置すると窒息して腐ります。膨らんだらOKなので、土に埋めて、水やりをすれば発芽します。大豆を発芽させるのと同じで、水をやりすぎると腐りますので注意が必要です。

上は処理したもの、下は処理をしないで水につけたもの(2日後)。帯の部分がはずれることもあります。
発芽したら水に溶かす肥料を時々やれば大きくなります。発芽したら、つる植物なので、ひなたに置いて下さい。