トウネズミモチの花:6月23日

皆さん、こんにちは。記念館の「チョボいち」です。
梅雨時は目立つ白い花を紹介します。梅雨時の白い花といえばクチナシです。田辺から番所崎へ通勤する途中の鳥の巣半島付近の車道沿いではたくさん見かけましたが、そろそろ終わりで、白い花が茶色くなって落ちています。クチナシは番所崎ではあまり見かけません。クチナシにかわって目立つのがトウネズミモチの白い花です。写真は白浜町のある温泉の垣根ですが、真っ白に開花しています。森林の中や単木では高木になります。

トウネズミモチ(Ligstrum lucidum)は、花が咲くと木全体がクリーム色になってあちこちに見られます。工場や公園の緑化樹として植えられ、庭園でも垣根に使われたりしています。緑化樹としてコジイ、ヤマモモ、マテバシイなどの常緑広葉樹と混ぜて植えられたものが、奈良県の橿原神宮の近くの道路沿いや、泉南や海南の火力発電所の工場林で見ることができます。近頃は植えられた木から種子が鳥などによって運ばれ、発芽し、つまりエスケープして、自然林の中でも見かけるようになりました。トウは唐で、中国原産であることを示します。ネズミモチは、実が紫黒色でネズミの糞に似ていて、葉がモチノキに似ているからです。外来生物で、鳥が実を食べて種子を運ぶので、あちこちに殖えて、国立環境研究所によると、外来生物法で、要注意外来生物になっています。成長が早く、入手しやすい木ですが、外来生物で、そこからどんどん広がることを考えると、公園や庭にはあまり植えて欲しくない植物です。
トウネズミモチの実は、干したものを漢方薬として用いているそうです。「女貞」という強壮強精薬になるそうです。また、Glossy privet(つやつやしたイボタノキ)とも言われ、イボタロウカイガラムシがついて、そこから白い「ろう」が採れるので中国ではたくさん栽培されています。