カラスウリの実:9月25日(火)

皆さん、こんにちは。南方熊楠記念館の「チョボいち」です。
先日、樫山嘉一氏の子孫の方が、カラスウリの実を持って来て下さいました。樫山嘉一氏といえば、南方熊楠の弟子で、キノコ四天王の一人です。当館に保管されている熊楠が嘉一氏に送った手紙に、自宅の竹林にカラスウリを植えたいので、実を送って欲しい旨が書かれています。カラスウリの実は朱色で美しいですが、花は夏の夕方から開き、夜目にも白く、繊細で優美なことから最近では緑のカーテンに仕立てる人もいます。熊楠もその花と実を自宅で愛でたかったのかもしれません。戴いたカラスウリの実は、当館の玄関に熊楠の絵手紙のコピーとともに展示しました。
カラスウリといえば、私たちの世代は天花粉を思い出します。夏のお風呂上がりに母にポンポンとつけてもらい、おしろいのようで嬉しかったものです。昔はカラスウリの根から採ったデンプンを用いたそうです。最近はあまり使わなくなりましたね。
カラスウリの実の中には黒い種子が入っています。昔は、この種子の形が「打出の小槌」や「大黒様」に似ていると言って、お財布に入れる人もいました。熊楠も手紙の中でそのことに触れています。
熊楠からこんなカラーの絵手紙をいただいたら、喜んでカラスウリを探して持参したくなりますね。


カラスウリの種子