地魚ヨロリとミノカサゴ:3月10日(日)

皆さんこんにちは。南方熊楠記念館のチョボいちです。
昨年夏に特別展「マエオカテツヤの和歌山妖怪展」をしました。そのなかで、那智勝浦町に出没する海の妖怪「ヨロリ坊」というのがありました。そのヨロリ(クロシビカマス)、地元の地産地消の鮮魚店で見つけました。3匹開き済200円というお値段に誘われ、購入しました。こんなお魚です。黒くて歯がとんがっていて、怖い顔です。深海魚みたいです。

「和歌山妖怪展」では、マエオカテツヤ氏によるこんな解説がついていました。
「かつて日本で行われた補陀落渡海は、観世音が住むという補陀落を目指す船に行者を乗せ、伴走船が曳航し、沖で綱を切って見送る捨身行。那智勝浦町で868~1722年に20回実施されたという記録がある。行者の一人、金光坊は生への執着が強く、船を抜け出し、浜にうちあげられた。しかし、すぐに捕らえられ、再び海に投げ込まれた。そんな金光坊の怨霊がヨロリ(クロシビカマス)になったといわれ、地元の人はこの魚をあまり食べないという。」
全体に黒光りしているので、「スミヤキ」と呼ぶ地方もあるそうです。塩焼きにしました。タチウオに似て、美味しいのです。でも小骨が長くて、食べるのに少々難儀です。地元の人は小骨が面倒なので、あまり食べないのではないでしょうか。ついでに、オコゼ魚のところで紹介した、ミノカサゴも見つけました。お店で鱗や鰭を取って下調理してくれてあるので、料理は楽ちんです。ヒトハメと一緒に煮魚にしましたが、上品なお味で美味でした。