アメフラシの卵塊:5月27日(月)

皆さんこんにちは。南方熊楠記念館のチョボいちです。
潮が引いている時には、潮だまりの生物を観察してみましょう。時に、黄色いそうめんのようなものが岩陰についていることがあります。ウミゾウメン(海素麺)とよばれるアメフラシの卵塊です。近くに掌くらいの大きさの親がいました。雌雄同体なので、お母さんかお父さんかはわかりませんが、アメフラシです。軟体動物の貝に近い動物ですが、貝殻は薄いセロハンのようになって体の中に持つようになったものです。岩についている海藻を食べています。草食動物、海の牛ですね。でも、その姿を見ると、ウサギのように見えてきます。中国名は「海兎」です。イギリスでも「sea hare」です。アメフラシより、ウミウサギっていうほうが、可愛いですね。でも、ウミウサギは白くてかわいい貝の名前で使われているので、ややこしくなります。ちなみに、和漢三才圖會で「海兎」を調べると、「海鼠(なまこ)と違って敢えて食べるものでは無く、誤って突き殺すと黒い血が流れ出し、雨が降るようだ」と書かれています。アメフラシは冷たくてぬるぬるとして独特の触感ですが、触った時に紫色の汁が出たことがあります。アメフラシの仲間には、カラフルでダイバーに人気のウミウシの仲間がいます。綺麗な青いアオウミウシは江津良の近くの岩礁の珊瑚の上で見たことがあります。小さかったです。

潮が引くと、海中の地層が現れます。 円月島裏の広い磯。アメフラシがたくさんいます。