南方熊楠の貝類コレクション展Ⅱ開始:6月22日(土)

皆さんこんにちは。南方熊楠記念館のチョボいちです。貝類コレクション展Ⅱ始まりました。今回は、熊楠の貝類コレクションを全部展示しています。ヒノキの木箱にきちんと並べられて、名前もわかっているコレクションと、まだ番号が付いただけの未整理の標本も出しました。名前がわかっているのは1778個です。その中には外国産と考えられるのものも24個含まれています。外国産の貝は、熊楠がアメリカで入取したものもありますが、なかにはアラフラ海のものと思われるシロチョウガイもあります。これは、誰かが熊楠に贈ったものでしょう。新出資料として熊楠の貝類保管箱を展示しました。一つは整理が完了した「東洋鶏卵」の箱。もう一つは未整理標本が見つかった「三ツ矢サイダー」の箱です。蓋は箪笥の引き出しのリサイクルです。両方ともネズミの囓り跡があります。熊楠がチョボ六なんていう猫を可愛がったのは、ネズミ退治をしてもらうためだったのかもしれません。標本の包み紙は、なんと、熊楠の弟子、四天王の一人北島氏の税金領収書です!

かわいい砂浜の貝類コレクションもあります。箱に情報が書かれていないのでどのような経緯でここにあるのかわかりませんが、文枝さんが集めた貝かもしれません。文枝さんは河出書房新社の新文芸読本に「追想」として「台風で高波の続いた後は、朝早く魚籠を肩に父のお伴をして、打ち寄せられた色とりどりの海藻や貝を籠一杯に拾って帰り、その一つ一つの名を教わり、また、標本作りの楽しさを教えられた」とあります。熊楠と文枝さんが扇浜で貝拾いをしている様子、目に浮かびます。

熊楠コレクションの未整理標本の整理、チャレンジしてみませんか。今回の展示では、熊楠の大型の貝で、未整理のものをガラスケースに入れています。整理された展示や図鑑を見て、名前がわかったものには、付箋を付けて下さい。熊楠の標本整理にチャレンジできます!

初心者コースとして、番所埼周辺で私が集めた貝類も置いています。同じようなものを集めておいてありますので、こちらも同定にチャレンジしてください。名前がわかったら、ガラスケースに付箋を付けて下さい。生き物は、名前がわかるとぐっと身近になります。番所崎には北側の砂浜、北西側の砂利浜、南側に円月島裏の磯といろんな環境がそろっています。海岸で貝殻集めをご家族で楽しんでください。砂浜と、砂利浜と、磯では違った貝殻が拾えますよ。夏休みの自由研究にいかがですか。