ダーウィンのフジツボの総説:2月28日(金)

皆さんこんにちは。南方熊楠記念館のチョボいちです。
今回の特別展で、なぜダーウィンの総説が展示されているのか、説明します。図譜とは、研究者のメモのようなものです。研究者は図譜をたくさん貯めて、世界中のデータと比較して、新種であると判断できれば専門誌に発表します。熊楠は図譜を書き貯めるところで時間切れになってしまい、キノコについて論文で新種記載をすることはできませんでした。熊楠よりずっと若かった今井三子は、熊楠の図譜のデータも用いて、新種記載を行っていきます。熊楠の観察データも今井によって活用され、新種記載に役立ったことが判っています。
ダーウィンはこつこつと図譜を書き貯めて世界中のフジツボのデータを整理し、専門誌に新種記載をしました。ダーウィンの命名したフジツボの種名は今でも有効です。ダーウィンは現世のフジツボのみならず、化石のフジツボについても調べています。そして、新種記載をまとめて、種ごとに比較してフジツボのグループについて「総説」を書いています。それが今回展示中の3冊の「総説」です。総説も立派な学術論文で、今回冨士うらら氏から借用した「ダーウィンのフジツボの総説」はこのようにしてできたものです。
図鑑とは、その総説などを集めて、ビジュアルな図と種毎の解説をのせて、一般の人にもわかりやすくしたものです。最近では写真やイラストなどもカラーになって美しいものがあります。展示中の、特に美しい荒俣氏の図鑑はぜひご覧ください。
また、ゴールデンウィーク中の5月3日14:00~15:00、本館1階多目的室で冨士うらら氏の講演会「熊楠と龍―フジツボに魅了された偉人たち」を開催します。申し込み不要です。ダーウィンとフジツボのお話もあると思います。ぜひお越しください。


冨士うらら氏所蔵のダーウィンのフジツボの総説。有柄類と無枝類について、現生と化石それぞれについて書かれているので4編ありますが、そのうち2編は合本されて1冊になっています。冨士うらら氏監修のフジツボのフィギュアも展示していますので、お楽しみください。