ナツフジ:8月31日(月)

皆さんこんにちは。南方熊楠記念館のチョボいちです。
鳥取総合博物館の学芸員さんから、昨日が最終日で、入館者が一万人を越えたというお話を聞きました。変形菌好きにはたまらない展示会でしたが、目標入館者数達成、おめでとうございます。
夏休み最終日、ナツフジの夏の名残の花を見つけました。第二駐車場への坂道のいちばん上に、「前方注意」「警笛鳴らせ」の青い道路標識がありますが、その標識の前方を注意して御覧いただくと、クリーム色の花をぶら下げています。藤色のフジは枝の先端に花房を付けますが、ナツフジは葉の腋から花房が付きます。つるの巻き方は、フジは上から見て時計回り(右巻)ですが、ナツフジは左巻です。フジは5月頃咲きますが、ナツフジは土用藤とも呼ばれ、6月頃から萩の花が咲く頃まで咲き続けます。そろそろ花房の先端の花が終わりそうで、夏も終わりです。
万葉集に大伴家持の「わが屋前の 時じき藤のめづらしく 今も見てしか 妹が咲容(ゑまい)を」というのがあります。「時じき藤」とは、ナツフジのことです。「ゑまい」とは、「にっこりすること」です。大伴家持23歳、将来結ばれる坂上大嬢に贈った相聞歌です。「家の前にナツフジが綺麗に咲いている。今すぐにでもあなたの笑顔をみたいものだ」という詩です。さわやかな花の色から、彼女の笑顔が想像できて、素敵なうたです。