粘菌の飼い方:11月23日(月)

皆さんこんにちは。南方熊楠記念館のチョボいちです。先日徳島県立城北高校の生徒さんから粘菌の飼い方についてお問い合わせがありました。記念館では長い間飼っている変形菌の変形体があります。飼い方を紹介しておきます。培地は寒天培地で、プラスチックシャーレ60個分で、寒天粉末6g、水900㎖、IHヒーターで沸騰後10分以上時々竹べらでかき混ぜながら加熱します。寒天粉末はスーパーで購入できるみつ豆用のもので十分です。水はできば塩素の無い水がよいのですが、煮沸するので水道水でも良いです。雪平鍋に入れて冷ましながらシャーレに注ぎ分けて、冷蔵庫で保管します。餌はクエーカーのオートミールです。入手できなかった時には、押し麦でも可でしたが、雪印のオートミールは食べてくれませんでした。好き嫌いがあるようです。もんじゃ焼きのへらは、寒天を切り取るのに便利です。


用具類

雪平鍋で注ぎ分けます

60個に分けたところ

6段づつ2列、袋に入れて冷蔵庫へ

冷蔵庫で餌や、培地を保管します。野菜室では紙袋で菌核を保管しています

餌のオートミールとへら

起こした菌核から変形体をシャーレに移し、反対側に餌を置きます。夕方へらで切って培地に置くと、20℃くらいなら次の朝、餌にたどり着きます。元気のよさそうなところを、そのまま展示に使います。25℃を越えると増えすぎるので、保冷剤を入れて発泡スチロールの箱で飼います。変形体の先端部を移植するほうが良く動きます。普段はお菓子の紙箱で蓋をして飼っています。直射日光を浴びると子実体になってしまうので、注意してください。


切り取って餌を与えたところ

洗ったシャーレは自然乾燥

夏の飼育場所

捨てる培地は、バケツに溜めておいて、ビニール袋に入れてキッチンハイターを少し入れて菌を殺してから生ごみとして焼却処分します。

子実体は実体顕微鏡で、変形体は普通の光学顕微鏡で、シャーレのままスライドガラスをかけずに最小の倍率でも原形質流動を観察できます。

番所山の森で採集した子実体をジオラマにして展示しています。森で探してみてください。