南方熊楠記念館の見どころ紹介(1)

皆さん、こんにちは。南方熊楠記念館の館長です。当館の展示についてはホームページで紹介していますが、あまり知られていない内容について紹介していきたいと思います。前もって知っておれば当館で過ごす時間もまた違ったものになるかと思います。その第一弾として本館を紹介します。

南方熊楠記念館の本館は東京帝国大学工学部出身の建築家 野生司義章氏が設計し、昭和40年に竣工し、総工費約3,500万円かけ建設されました。本館の建設にあたり、和歌山県はじめ市町村や会社、個人、団体、そして海外からもたくさんの寄付金が寄せられました。

令和元年には戦後建築家が関わった建物として和歌山県では初、また白浜町においても町内初となる文化庁登録有形文化財となりました。60年代建築ムーブメントの一コマを物語る建物としてモダニズムを基調とした造りで、正面玄関の庇はたいへん重厚で迫力があります。一方、内部へ入ると本館屋上まで通じる螺旋階段が目にとまります。この螺旋階段は芸術的でたいへん綺麗な形状をなし、現在、流行のインスタ映えする階段だと思います。この階段は本館2階特別展示室からご覧いただけます。

また、普段は公開していませんが、南方熊楠を思い皇室をはじめ国内外から要人の方々が訪れるため貴賓室を設置しています。貴賓室からは熊楠が愛し自然保護に尽力した神島が臨めます。