トウオガタマが咲きました

皆さん、こんにちは。南方熊楠記念館の館長です。

現在、番所山のトウオガタマ(カラタネオガタマ)が綺麗な花を咲かせています。モクレン科の中国南部原産の樹木で江戸時代に日本へ渡ってきました。花は白色で少し赤味がかった縁取りが入り、花の匂いはバナナの香りがします。花びらの重なりが含み笑いをしているような様から「含笑」とも呼ばれています。

このトウオガタマは、南方熊楠とも関係があり、粘菌三羽烏の平沼大三郎から暖かい地でトウオガタマを育てて欲しいと熊楠に依頼があり庭で育てていました。

また、熊楠は平沼に県内の四家を紹介し、トウオガタマの苗を直接送ってもらっています。その一人がきのこ四天王と呼ばれている樫山嘉一で、熊楠は「貴下ならば育成すべし」と手紙を送っています。

その後、樫山は「落葉堂園」と名付けた植物園で大切に育て、落ちた葉っぱも一枚一枚保存し、その数がなんと7万枚にもなりました。

現在、5月19日まで当館で開催している特別展「熊野・熊楠を愛するひとたち展」には、樫山が亡くなったあと、きのこ四天王のひとり平田寿男が樫山を偲び仏前に供えた「含笑」の色紙を展示しています。

トウオガタマの花

 

きのこ四天王 平田寿男 書