神馬藻

こんにちは。閑話猿です。

台風9号以降雨天が多いです。番所山周辺の浜には多くの海藻、主にホンダワラが打ち上げられております。以前は、私の実家でホンダワラを正月飾りに使うことを書きました。今回は、熊楠が聞いた新庄村の習俗です。

 

西牟婁郡新庄村大字鳥巣辺では、以前正月礼に廻り来る人がぜひ家に中に蹴込まねば入りえぬよう、閾(しきい)のじき外におおく神馬藻(ほんだわら)を積んだ。藻を蹴り込む(儲け込む)という欲深い洒落だ。(「紀州俗伝」『南方熊楠全集』 2巻 328頁)

 

鳥巣辺といえば、神島に非常に近い地点です。人が入れないほどのホンダワラとはすごい量ですね。現在の海辺をみても確かに大量のホンダワラが打ち上げられています。熊楠は「欲深い」としていますが、非常に面白い縁起担ぎだと思います。

 

鳥巣辺から見た神島(6月撮影)

ここにもホンダワラが多い

海中から見た漂う海藻