行く川のながれは絶えずして

こんにちは閑話猿です。

ちょっとしたお知らせです。10月21日(木)に国際日本文化研究センター(日文研)のセミナーで鴨長明「方丈記」がテーマにあがります。発表者のゴウランガ・チャラン・プラダンさんは、日本古典文学の研究をされており、今年当館にもご来館されました。

管見ですが、氏の「19世紀末から20世紀初頭の英米における『方丈記』の受容  夏目漱石の「英訳方丈記」を手がかりに」(『人文学論集』 37巻 大阪府立大学 人文学会 p.283-300)は、熊楠の大学予備門時代の同期夏目漱石を中心に、熊楠も取り上げられています。その中で、熊楠がディキンズと共訳した『方丈記』にも言及されており、「熊楠・ディキンズの『方丈記』共訳の題目をめぐって」(p.292-295)では、熊楠は夏目漱石の行った『方丈記』の部分的英訳を熊楠は知らなかったと述べられています。ただし、ディキンズはこの英訳を知っており、それをふまえた上で熊楠の英訳を修正し出版したことが述べられています。

日本語をどのように英訳したのかという研究から、一歩先にすすみ訳者の理解の仕方や影響なども述べられているため、非常に興味深い研究です。

 

【zoom】268回 日文研木曜セミナー 10月21日(木)  16:30から18:00まで

テーマ:世界文学としての『方丈記』―20世紀初頭までの欧米における鴨長明像

発表者:ゴウランガ・チャラン・プラダン(国際日本文化研究センター  機関研究員)

 

参加方法は以下のリンク先から

https://research.nichibun.ac.jp/pc1/ja/events/archives/mokusemi/cal/2021/10/21/

 

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