熊楠の資料について

こんにちは閑話猿です。

クラウドファンディングも残すところあとわずかとなりました。これまでに多くの方々からご支援を頂きました。これから、開館60周年に向けて、当館所蔵の熊楠資料の整備を進めていきます。

これから、熊楠のフロックコートや土宜宛の書簡などはしかるべき機関で、保存のための整備を行います。また、今回の整備を機に常設展示を少し写真パネルに置き換えたり、これまで開いていたノートのページを変更したりしようと考えています。特に熊楠がロンドン時代に筆写したものは、インクが悪いため文字が消えてしまう懸念があります。

よく当館のような展示施設では「ジレンマ」があります。一つに保存すべき施設であること、二つに公開するというこの2点を両立しなければいけない、この2点はどうしても相反するものです。資料も光や温湿度の変化で劣化はしていきます。では、劣化を防ぐために全ての資料を模造品や複写したものに変更していいのか?それは違います。本物の資料、熊楠の使っていたものが展示して見られるからこその当館とも言えますし、展示しているから、状態の変化に気づくこともあります。

そのため、話は最初に戻りますが今後は常設展示の資料を少しずつ、変更していきます。時には模造品になっていたりすることもあるでしょうし、特別展の時のみ展示される場合もあります。それは出し惜しみをしているのではなく、熊楠の資料を今後最低でも100年、それ以上残すために行っていることをご理解賜りたいです。

現状資料保存のためにもてる知識と活動を継続して参りますので、宜しくお願いいたします。