後の世の新種

こんにちは閑話猿です。

現在開催中の特別展「熊楠の甲殻類標本展 蟹づくし」も会期が折り返し地点を迎えました。今回展示している蟹の標本でご来館の際には見てほしいものを紹介します。

モクズガニ科 タカノケフサイソガニ(Hemigrapsus takanoi Asakura & Watanabe, 2005)は学名からもわかるように平成17(2005)年に朝倉彰 氏(京都大学フィールド科学教育研究センター瀬戸臨海実験所センター長)によって新種と発表されました。それまでは、モクズガニ科のケフサイソガニと分類されていたそうです。

タカノケフサイソガニはケフサイソガニとは異なり、ツメの毛の量違いやお腹に斑点がないといった特徴を持っています。

熊楠は何げなくケフサイソガニを採集したのかも知れませんが、それが後の世で新種となるものとは思いもよらなかったのではないでしょうか。

展示では、タカノケフサイソガニのカラー写真も展示していますので熊楠の標本とあわせてご覧ください。