関東大震災から100年

こんにちは閑話猿です。

今日は1923(大正12)年に関東大震災が発生した日で、ちょうど100年目となります。

この日、熊楠は田辺の自宅におり、特に揺れを感じませんでした。しかし、翌日の新聞に震災の記事があり、驚いたようです。

 

熊楠が東京へ上京したのは、1883年に和歌山中学を卒業してからです。その後東京大学予備門を退学してアメリカへ留学する前に2年近く東京で過ごした際に訪れたであろう浅草も、新橋駅も被災いています。

一方、東京でこの地震を体感した人物がいます。現在当館の特別展で特集されている「牧野富太郎」です。牧野の随筆によると、当時渋谷の荒木山にいたそうです。

大震災のときも、これに驚くというよりは、非常な興味を感じた。私は大地の揺れ動くのを心ゆくまで味わっていた。

当時、私は猿又一つで、標品の整理をしていたが、坐りながら、地震の揺れ具合を観察していた。そのうち、隣家の石垣が崩れ出したのを見て、家が潰れてはたいへんと思って、庭にでて、木に摑まっていた。(中略)この大地震では、せっかく上梓したばかりの「植物研究雑誌」第3巻第1号を全部焼いてしまった。残ったのは見本刷り7部のみだった(「大地震の頃」 70~71頁 牧野富太郎『わが植物愛の記』2022年)。

このように牧野富太郎は感じたようです。大した被害はなかったものの、震災の2年後に標品を守るため、郊外の東大泉に転居したようです。

 

当館での特別展も残り1ヶ月程の会期(10月9日会期末)となりました。是非御覧下さい。