ツチアケビ(山ノ神ノシャクジョウ)

こんにちは南方熊楠記念館の館長です。

10月9日(月・祝)まで特別展「南方熊楠と牧野富太郎 ふたりの事ども」を開催しています。その展示に熊楠が牧野富太郎へ送ったツチアケビの標本(パネル展示)や地元植物・魚類研究者の宇井縫蔵に宛てた関連書簡を展示しています。

熊楠が牧野に送ったツチアケビの標本は東京都立大学牧野標本館に収蔵されていますが、8月に期間限定で南方熊楠記念館に里帰りをさせ展示をしました。

熊楠が宇井縫蔵に宛てた書簡には、ツチアケビは熊野の方言で「山ノ神ノシャクジョウ」と呼ばれている、またツチアケビの標本を牧野に送ると書かれています。

牧野標本館に保存されている熊楠が送ったツチアケビ標本(那智山産)のラベルにも熊楠の文字で熊野方言「山ノ神ノシャクジョウ」と書かれています。

ツチアケビは菌従属栄養植物、ラン科の植物で葉を持たず光合成ができないため、キノコのナラタケ菌と共生し栄養分をもらって成長しています。

初夏に花を咲かせ9月ごろ赤色のウインナーソーセージをぶら下げたような果実がなります。その様子から修験者などが持つ法具の錫杖(シャクジョウ)に似ているため、別名ヤマシャクジョウとも呼ばれています。果実は滋養強壮薬としてお酒に漬け薬用酒とすることもありますが効用は不確かなようです。

実物のツチアケビをしばらくの間、南方熊楠記念館に展示しますのでご見学ください。