明日は南方熊楠ゼミナール

こんにちは閑話猿です。

いよいよ第14回南方熊楠ゼミナールも明日の開催を待つばかりとなりました。

今回のテーマ「南方熊楠と牧野富太郎 二人の植物学」に対する反響の大きさには驚いています。充実したゼミナールになるよう準備をすすめていきます。

 

南方熊楠記念館では2月10日~11日まで、本ゼミナールに関連したミニ展示を本館展示室で開催しています。こちらはどなた様でも見学できるので、是非ご覧ください。

この展示のなかに当館が所蔵している牧野富太郎・田中貢一編『科属検索 日本植物志』を展示しています。本資料は樫山茂樹氏が所有していたもので、熊楠から貰ったものです。それがわかるのが、熊楠の字で「昭和3年4月10日」と署名があります。

なぜ樫山氏が熊楠から本書を貰ったのかは、樫山茂樹「南方先生と子ども」(『南方熊楠百話』 p.327-329 1991年)からわかります。1932(昭和7)年9月7日に樫山少年(茂樹氏)がキノコ採集の褒美として、熊楠が本書に目の前で署名し渡してくれたそうです。熊楠の日記によると

 

三時半頃樫山氏の息子(茂樹)来り、柿と梨くれる。菌二種持来る。平凡の物たり。牧野博士の『科属探検[検索] 日本植物志』」一冊贈る(『南方熊楠資料叢書 南方熊楠日記[昭和六年・七年]』 南方熊楠顕彰館 2023年 p. 264)。

 

とあります。この時樫山氏は「自身の目の前で署名してくれた」と書いていますが、残念ながら現在展示しているものにはそのサインが落丁しているようです(『南方熊楠百話』には署名が掲載されている)。

 

この他にも南方熊楠顕彰館蔵の熊楠が採集した植物標本や熊楠が持っていた牧野富太郎『大日本植物志』なども展示しています。わずか2日間の展示ですが、見応えはあると思います。

 

牧野富太郎と田中貢一