こんにちは閑話猿です。
現在田辺市の南方熊楠顕彰館で2025年企画展Ⅰ「映画の中の南方熊楠 新出映像『天皇陛下関西行幸』をめぐって」が開催されています。
この展示は昨年10月に当ブログでもお知らせをした国立映画アーカイブのYouTubeチャンネルで公開している1929年6月1日の昭和天皇の行幸にまつわるものです。
この展示では、当館が所蔵する行幸関係の資料も展示されています。
この展示に少し関わったので、私が注目する資料紹介をします。
昭和4年6月2日付 上松蓊宛・南方熊楠書簡には、御進講が無事に終わったことを熊楠が上松に述べています。
昨一日進講事すみ候。神島へは畠島(頼倫侯所有地、京都大学のもの陪従御採集)より前に御臨幸遊ばされ候て、この島にて小生のために特に脱帽遊ばされ候ことまことに恐懼の至り、御召艦にては三十五分ばかり進講、粘菌百十点献上、貴下の集品は五点ありし(羽後と湯檜曽)。 以下略:『南方熊楠全集』第9巻 平凡社 494―495頁
映像のなかの熊楠は、神島で昭和天皇とお目にかかった後に脱帽しています。そして笑顔でお話されていることも伺えます。
そして当館には熊楠が御進講の際に着用していたフロックコートも常設展示されているので、顕彰館で企画展をご覧になった後に当館にもお越しください。
◯南方熊楠顕彰館 2025年企画展Ⅰ「映画の中の南方熊楠 新出映像『天皇陛下関西行幸』をめぐって」
◯国立映画アーカイブ 【全篇】『天皇陛下関西行幸』1929年|「フィルムは記録する」より ‘Film IS a Document: NFAJ Historic Film Portal’
◯熊楠の映像 2024年10月28日