こんにちは。実習生の藤原です。
記念館で保存している粘菌:「イタモジホコリ」のお世話をさせてもらいました。
粘菌のお世話では、シャーレの中に広がっている変形体の中から一部を切り取り、新しいシャーレに移し替えます。
その際、公園で採集したオオシロカラカサタケを与えてみることにしました。
このオオシロカラカサタケは、食べると嘔吐や下痢、腹痛を引き起こす毒キノコですが、粘菌はどうなるのでしょうか。
どのように興味を示すか比較するために、キノコの柄と傘をそれぞれ少し切り取り、シャーレの中に配置します。
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1時間おいて見てみると、変形体の密度の高い部分が柄の方向に移動していました。
傘の方向にも少し伸びた形跡はありましたが、興味は柄に向いているようです。
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そこから2時間後…
なんと、粘菌が切り取った寒天の培地を抜け出し、キノコの柄を登り始めていました。
その後も観察を続けると、みるみるうちに粘菌は軸を覆い、キノコを与えてから10時間が経過した翌朝には、柄全体を覆い、その周辺にも網目を広げていました。
![]() 10時間後 |
一見動いていないようでいて、目を離した隙にしっかりと移動していたり、毒キノコに食らいついて活発に網目を広げていたりする姿を目の当たりにし、粘菌は不思議でとても興味深い生き物だなと感じました。
参考文献
今関六地・大谷吉雄・本郷次雄 『山渓カラー名鑑 日本のきのこ』1988年 山と渓谷社