熊楠と山帰来

こんにちは閑話猿です。

番所山公園内で見られるツル植物のひとつに山帰来(サンキライ)があります。

これはイビツイバラ、サルトリイバラ、マガタグイ等とも呼ばれます。

そしてこの葉で包んだ餅は、「かしわ餅」、「いびつ餅」と呼ばれます。熊楠は柏の葉で包んでいないのに「かしわ餅」と呼ばれている事に戸惑ったようで、1921年の『日本及日本人』に「かしわ餅」という短文を寄せています。

その他1923年の『土の鈴』には「いびつ餅」という短信を投稿しています。曰く、

「いびつ餅」は、田辺に限らず、紀州到るところこれを作るが、いびつと呼ぶは田辺とその近処に限るらしい。端午にかしわ餅を作るが本式で、かしわ餅の不足を補うため菝葜の葉を用うる。ところが田辺にはカシワがはなはだ乏しく、予の知るところ、カシワを植えた家は只今一軒しかない。他処ではイビツの葉で包んだ餅をもカシワ餅というが、田辺辺ではカシワを知らぬほど少なく、ただちにこれをイビツ餅またイビツと言うらしい(『南方熊楠全集』第3巻 493頁)。

熊楠は「この葉で餅を包む餅は、紀州では到るところであった」と述べていますが、私の出身地の岡山県にもこの葉で包んだ餅があります。現在は柏の葉で包んだ「かしわ餅」がどこでも買えるので、「いびつ餅」と一緒に並べてみるのも面白いかもしれません。

 

サルトリイバラで包む餅(2025年05月31日ブログ)

サルトリイバラで包む餅

いびつ餅