熊楠の昆虫標本:5月23日(土)

皆さんこんにちは。臨時休館中の南方熊楠記念館のチョボいちです。
特別展の準備をしています。開館したら熊楠の箪笥に入っていた標本を紹介する予定です。熊楠の茶色い箪笥の引き出しの一つに昆虫標本が入っていました。今から30年ほど前の整理される前の熊楠自身の引き出しの写真が残っています。虫食いが多くて、当時後藤伸先生によってドイツ箱へ移されました。今回、ドイツ箱を見ると、さらに虫食いがあって、このままでは展示出来ない状態でした。そこで髙垣館長にクリーニングして頂きました。明治時代の熊楠の昆虫標本が甦っています。クロコガネの標本には、USA アナーバー2550年5月17日の熊楠自筆ラベルがついています。2550年?これは皇紀といって日本独特の年号で、西暦1890年熊楠23才の頃です。熊楠はアメリカでは、日本を意識して、皇紀を使うことが多くありました。他にも、130年以上も前の標本とは思えないくらい美しいハンミョウ、珍しいガムシやゲンゴロウなど、貴重な標本を残してこられたご家族や関係者の努力は素晴らしいと思います。開館したらぜひ御覧ください。

熊楠の標本箪笥の引き出しの様子

熊楠採集の昆虫標本をドイツ箱へ移したもの

2550年アナーバーの熊楠自筆ラベル

ジャクソンビルで採集されたコブスジコガネの仲間

日記では東京で採集記録がある

ガムシとゲンゴロウ